はじめに

私は色んな人に小説を書いてほしいと思ってる。別に小説ではなくてもいいのだけど、多くの人が創作をするようになって、それを使ってコミュニケーションが取れたらいいのにと思ってる。

小説を書きたいなと思っている人がいるなら背中を押してあげたいし、なんというかもっと気楽に書いていいものだと言いたい。だからというのは変だけど、私の小説の書き方を言語化してみようと思う。多くの人には役に立たないものだろうけど、役に立ったと思う人が一人でもいればいいし、私自身の小説への理解が深まるといいなと思っている。

大前提

小説は書いていて楽しいのがいちばんだと思ってる。そういうものって読んでて結構わかる。だからまずは自分がいちばん楽しく書ける形を見つけるのが大切だと思う。誰になんと言われようと、自分が楽しければそれでいいのだと私は思ってる。だって仕事じゃないのだから。

なにが楽しい?

では小説を書くことの何が楽しいのだろう。これを言語化するのって難しい。私は小説が上手く書けているとき、それ以外では味わったことのないような多幸感を感じることがある。なんだろう、世界がとてもクリアになっていくような、そして私はこの世界ならどこへでも行けるのだという感覚。

物語を読んでいてその世界に没入する感覚ってあると思うけど、それと似ていて自分で世界を作りそのなかを自由に歩いて行くようなイメージ。ファンタジー的な世界観じゃなくても同じで、歩けない場所を歩き、体験できないことを体験できる。それを自分自身で作れるというのが私は小説の醍醐味だと思っている。

なにを書く?

小説を書くといっても何を書けばいいのだろう。ちなみに私は未だによくわかっていない。

何かを書くにはまずテーマ(題材、設定)を決めなければいけない。私のやり方としては、まずぼんやりテーマを決めてそれを頭の片隅にずっと置いておく。あとはこういうものが書けるかもしれないと思えるまで待つ。

テーマってなんだろう? 具体的過ぎず、抽象的過ぎないものがいい。最近よく考えていること(例えば恋愛の特権性、性別二元論)、あとは今抱えている感情(不安、さびしさ、うれしさ)。ぼんやり持っておくことが重要だと私は思ってる。形を固めてしまうと小説として膨らますことができないので。

どう書き始める?

こういうものなら書けるかもしれない、とはどういうことか。例えばワンシーン思い浮かべば、それを中心に小説を書き始められると私は思ってる。

時間、空間というのは流れていくわけで、そして無からは何も生まれない。それは小説も同じで、Bの次はCになるし、Bの前はAと決まってる。だからAでもBでもCでもどこかしらが決まれば、あとは因果関係にのっとってある程度は書いていくことはできる。

何でもいいのだけど例えば、少女の髪がなびいたシーンが頭に浮かんだとする。無から髪はなびかないので、風が吹いている。なぜ風が吹いているのだろう。窓が開いているから?それとも外にいるから? その風は暖かい?冷たい? 場所は?時間帯は? このあと少女は何と言う?もしくはこの前に僕は何と言った?

無理やり言語化するとこうやって小説を創っているのだと思う。

時間は流れているし、それに伴って空間も動いている。ただ時間の流れも、空間の動きも自在に書くことができるのが小説のおもしろいところ。

ちなみに「場所は?時間帯は?」みたいに決めなきゃいけないことで迷ったら、自分が理由なく純粋に好きな方を選んだ方がいい。上の例で私だったら「学校の教室で夕方」になる。創作というのはどれだけ自分の好みを押しつけられるかがすべてで、世間体とか正しさとかそういうものは気にしない方がいい。

文章の書き方

小説を書こうとして、簡単に書き始められるのは会話文だと思う。人によるのかもしれないけど、セリフからイメージを膨らますのが簡単な気がする。セリフって基本的にはAと言ったら、Bと返ってくる。Aの返事がGになることはあんまりない。

小説で難しいのは地の文かなと思う。もちろんどういう小説を書きたいのかにもよる。地の文よりストーリーだろという人もいると思うのだけど、私は展開があるような小説を書かないのでストーリーについてはまったく語れない。ストーリーなんていらないとすら思ってる。

小説っぽい文章を書くなら、一挙手一投足、五感で感じるものすべてを描写するつもりで書くといいと思ってる。真っ白な何もない世界でふたりだけというわけにはいかないので、目に入るものはぜんぶ書く。できるだけ「今この瞬間」を書くことが重要だと思う。

私のイメージとしては情景を描写するなら主人公(私)の外側の守護霊くらいの位置に視点を置いて見えているもの聞こえているもの、感じているものをとりあえず書く。内面の描写は主人公の内側のさらに内側に視点を置いて感情の流れを感覚的(視覚的、聴覚的)に書く。あと思考も書くといい気がする。できるだけたくさん書くといいと思っている。それでもぜんぜん書けないので。

ぜんぜん書けなかった場合は書き終わったあとに、推敲としてまた戻ってくればいい。大切なのは楽しく書くこと、筆を乗せることで、楽しくないことは後に回せばいいし、面倒くさいならやらなくてもいい。

あと自分の本当の経験を良い感じ混ぜるとリアリティーが増す。部屋とか街の描写、登場人物との会話など。

小説の書き方

私は小説を現在進行形で書く日記みたいなものだと思っている。

「Aへ行った。Bに会った。Cを食べた。Dと思った。」と書くのが日記だとしたら、それをなるべく現在進行形で書く。「Aにいる。Bが来る。Cを食べながら、Bと話す。Dと思う。またBと話す。」みたいなイメージ。日記も物語として書けば、それは物語になる。

小説はそうやって書いたものを繋げていくとできる。それが例えば一週間分とかになったらそれなりに長い小説になるし、ワンシーンだけでも小説になる。起承転結なんていらなくて、どこから始まって、どこを歩いて、どこに辿りつくか、が小説だと思ってる。

あとは展開の作り方だけど、書きたいもの書くべきもの書く必要があるものをあらかじめ決めておくといいと思う。そういったものが決まっているとそれを目標にして書いていける。

例えば主人公に「愛している」というセリフを言わせたいとする。ではどうすれば主人公は(私の)望んだとおりに「愛してる」と言ってくれるだろう? きっかけや会話の流れ、登場人物との関係なんかをそのセリフを中心に決めていける。

私の場合は短いものなら書きながら決めていくというか、そこ(愛している)に向かって書いていくことが多い。人と会話するときに話したいことを想像しながら、そこに誘導するように話すことがあると思うけどそんな感じ。ただ初対面の人間に「愛している」と言うのは小説でもなかなか難しいと思うので、大まかな設定や舞台はあらかじめ決めておかなければいけない。

長い小説も短い小説も基本的には同じで、その目標の数とその目標(愛してると言う)のためにどれだけの事前準備が必要かどうかだと思ってる。

どんな小説を書く?

結局どんな小説を書けばいいのだろう? これがいちばん難しい。私の小説は基本的に何かの言語化であることが多い。そのときの感情であったり、思考であったりと、小説によって違うけどだいたいは小説という形で何かを言語化(物語化)していることが多い。

例えばさびしいという感情があったとして、でもそのさびしさを明快に言語化するのは難しいと思う。なぜさびしいのか? 言葉では上手く言い表せないけどさびしいのだ。そういうときにその感情を小説(物語)という形に変換して言語化する。

その過程を言語化するのは難しいけど、なんというか泣きたいくらいさびしいと言うより、物語のなかで主人公を泣かせた方が感情の形としては近いものになると思う。現実では泣けなくても物語のなかなら誰にも迷惑をかけずに泣くことができる。小説を書くことのおもしろさはここにあると思う。

だから主人公は基本的に自分の分身(自己投影)でいいと思っている。その方が書きやすいし、書いていて楽しいと思う。案外物語のなかに入れてしまえば、作者と主人公は切り離せるというか、曖昧にして読むことができる。もちろん完璧に自分を模倣する必要はない。プライバシーは大切だ。でも主人公や登場人物の核となる部分は自分の一部である方がキャラクターに感情移入しやすくなると思う。

小説というのはそういう独りよがりなもので良いと思う。私が書きたいから書いているのだ、というスタンスじゃないとなかなか続かない。

最期にちょっとしたアドバイス

小説を書いたら私はどこかしらに公開したほうが良いと思ってる。どんな出来であっても、完成したら投稿してしまえというのが私のスタンス。誰かに読んでもらった方がモチベーションになるし、何かのきっかけで何かが起こるかもしれない。

批判されたりすることもない。基本的に多くの人に読まれることはないし、他人の感情を逆なでするような物語を書くにはたぶん結構な力量がいる。

あと、おもしろいものを書こうとする必要はない。正確には読者がおもしろいと思うようなもの。それを目指すと読者からの評価が絶対になり、楽しく小説を書くことが二の次になる。何度も書いているけど楽しく書くことがいちばんだと私は思ってる。

そうやって作品を公開していくとたまにコメントがつく。この人には私の書いていることがしっかり伝わっているんだって思えることほど幸せなことってない。そのコメントひとつでこれまで小説を書いてきた意味が見いだせると思う。

以上。私の小説の書き方でした。感想や、質問などあればコメントください。長々とありがとうございました。

https://marshmallow-qa.com/qut6j87f0bseenh?t=3pUxoQ&utm_medium=url_text&utm_source=promotion