ジェンダーと老い
いい日だなあと思う。暖かくて晴れていて休日で、ちょっと風が強かったけど、窓を開ければカーテンが風でなびいて、その空気が入ってくる。もうすぐ春なのだろうか。だったら嬉しいなと思う。
ここ数日、アロマンティック・アセクシュアルについて考えていて、結論としてはやっぱり私は違うのだろうなってなったけど、好きだな、心地いいなと思う。
2年くらい前にアセクシュアルについて初めて知ったときも同じように思ったのを覚えている。居心地がいいと思える場所というのを初めて見つけた感覚。今までそんなふうに思えたことってなかったから。
ふと、グレーのアロマンティック・アセクシュアルを名乗ってマッチングアプリ的なものをやるのは良いかもしれないと思った。あらかじめ恋愛を排除する方法としてはとてもわかりやすいし。ただ、まあ、何もわからないので、怖いし、やっぱり面倒だなという思いもつよい。ただいつかのひとつの選択肢として持っておけたらいいかもしれない。
アロマンティック・アセクシュアルについてはいったん一区切りとして、次はジェンダーについて考える。ジェンダーって難しいよなと思う。自分のことですらよくわからないのに、他人のことなんてわかりっこないと思うし、他人を見たまんまの性で判断するのが経験的に根付いていて、もうどうしようもないような気もする。
私は男性として生きてきて、自分が男性であるということ社会的に強く意識させられた経験がほとんどない。それって日本人男性の恵まれたところだよなと思う。今読んでいる本だと、アメリカでは代名詞やらサー、マダムのような敬称?があって、それをいちいち相手に伝えなければいけない。私の代名詞はThey/Themでお願いしますと。
日本語にも代名詞はあるけど、日常的に使われることってあまりない気がする。小説では多用されるけど。
私は恋愛とは無縁な人生だったし、子供のころに男の子なんだから見たいなことを言われたことはあったけど、特に気にしたことはない。ホモソーシャル的なコミュニティにはずっと馴染めなかったけど、だからといって社会的には特に不都合を感じたことがあまりない。
なのでジェンダーについて考えるようになったのは、肉体と関係のないの表現をするようになってから(SNSとか小説を書くとか)。SNS上で私はもともと「僕」という一人称を使っていたのだけど、だんだんなんか違うなとなり、「私」に変えた過去がある。
子供のころは「俺」と言っていて、高校くらいになんか違うなとなり「僕」と言うようになって、SNSを始めて「私」の方がしっくりくるなとネットでは「私」と表現するようになり、社会人になってぜんぶ「私」でいいじゃんとなった。
ただ、家族や「俺」時代の友達と話すときは「俺」と言うし、それが自分を偽っているような感覚はない。どっちでもいいかなと思っているのだけど、急に「私」と言いだして何か言われるのがめんどくさいだけではある。そしてこれから出会う人たちには「私」と言っていくのかなと思っている。
服装とか髪型は男性の範囲のなかにいるし、そこから出るつもりはない。髪も伸ばしたいという思いはあるのだけど、そこまでの勇気がないし、綺麗にならないだろうなという諦めが強い。服は昔からいいなと思う服がなくて、もっと中性的に寄りたいけど、そういうのってなかなかないし、お金もかかるしで、考えるのをやめている。
だから私は外見に関しては男性を逸脱しようとは思っていなくて、社会的に許されている(あまり好きな表現ではないけど、他の表現がぱっと思いつかない)分だけ、とりあえず真ん中に寄っていきたいと思っている。
そして社会的な面を抜きにして性について考えるのって難しくて、今は「私は私だしな」という感覚しかない。
最近、考えていることというか、今後の課題は私は老いに耐えられるかということだと思っている。今みたいに若いとき(今年25歳のはず)はなんだっていいと思うのだけど、歳を取るとやっぱり話は変わってしまう。
独りでいることですら好奇の目にさらされるようになるわけで、そういったものに私は立ち向かっていけるのか、そして自分の肉体を肯定し続けていけるのか。そういうことを不安に思っているのだなと改めてわかった。
川野芽生の「AはアセクシュアルのA 「恋愛」から遠く離れて」というエッセイに孤独について書かれていて、いい表現だなと思った。
最も深い孤独とは、「私」を失ってしまうこと
川野芽生「AはアセクシュアルのA 「恋愛」から遠く離れて」
これを読んで、なんというか自分で自分を肯定できなくなったら本当にマズいなと思った。他者がいれば他者が「私」を見つけてくれるのかもしれないけど、独りだと「私」を失ったときにどうしようもなくなってしまう。それが私は怖い。
だから私はそういったものに立ち向かっていく力をつけなければいけない。私は今までパートナーの必要性がまったく理解できなかったけど、なんとなくわかった気がする。共闘者という感じなんだろうな。
https://littlemore.co.jp/isbn9784898156131
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