日記 旅行中
今日は伊豆に旅行に来てる。今はホテルのベッドでこれを書いてる。寂しいというかホテルってなんか怖い。アナログ時計がカチカチカチカチ鳴ってる。ホテルの時計はデジタルにしてほしい。
朝、6時半ごろに家を出て、電車に乗り東京駅へ行く。東京駅から踊り子に乗って伊豆に来た。
踊り子って川端康成の伊豆の踊子からきてるのか、と電車に乗る前に気づいた。特急を予約するときに気づいていれば図書館で借りてきたのになあと思った。
長期休暇は村上春樹を読むと決めている。何を読もうか今朝、本棚と相談してスプートニクの恋人を持ってきた。ダンス・ダンス・ダンスと迷ったけど、読み切れそうな方にした。
東京へ向かう電車のなかは満員だった。ほんとに嫌になる。わざと平日のタイミングにしたからかわからないけど、すごく混んでた。なんだかすごく旅行感がないし、大学に電車で通っていたころのことを思い出した。
踊り子の方は、途中で若い男の集団が乗り込んできて騒がしかった。初めは学生だと思っていたら、仕事だの有給だのと話していて社会人なのか?となり、今度は誰々が結婚したみたいな話をしていてもしかして歳上なのか?となった。
まあたぶん私と同じくらいの歳だと思うけど、男性の集団というのはほんとにいつまで経っても変わらないんだなあと思った。学生のころの友達だから、集団のノリが学生のままなだけかもしれない。
電車のなかでずっとスプートニクの恋人を読んでいた。疲れたら軽く眠って、窓の外を眺めたりした。海が見えると、次第に海町へ景色が変わり、温泉街になって、また海が見える。そんな感じで、町と海の間はずっと山だった。
窓の外を見て、どこまで行っても田舎の景色って同じなんだなあと思った。立ち並ぶ家の形とか温泉街の雰囲気とかそういうもの。見ていて何も面白くないけど、海町には行ってみたいと思った。どうしてかずっと海町への憧れがある。
伊豆は山に囲まれた場所だった。レンタカー代をケチってホテルまでバスで行ったのだけど、ずっと山のなかだった。10人くらいバスに乗っていたけど、私と菊の花を抱えたおばあさん以外、みんな外国の方だった。
どうして遥々伊豆に来るのだろう?なんかもっと行くべきところ(東京、大阪、沖縄とか)があるような気がするけど、海外では有名なのだろうか。
白人のカップルが山に囲まれた町中の中学校前でバスを降りていった。そこに何があるのか気になる。
レンタカーを借りなかったせいで、交通面がすごく不便。ホテルのチェックインは15時からなのだけど13時に着いた。2時間をバスの時間なんかを考えてどこかで遊ぶのはめんどうだった。
ダメもとでチェックインできませんか?と聞いたら、やっぱりダメで手続きだけ先に済ませた。当初の予定通り海で時間を潰すことにした。
ホテルからすぐのところに海がある。砂浜が三日月みたいに弧を描いていて、周りが山に囲まれてる。海町というより別荘地みたいな感じがする。
砂浜には大量の赤い海藻が打ち上げられていた。その海藻のせいで波が赤黒かった。ベンチがあったのでそこに座って、それからずっとスプートニクの恋人を読んでた。
空は雲ひとつなくて、綺麗に晴れていたし、気温も風はなく暖かかった。悪くない旅行のように思えた。
自分の住んでる街だと、どうしてか逆に落ちつかない。なんだか知ってる人に会いそうでいつもどこか神経が緊張している。だからこんなふうに、外でぼおっとしたり本を読んだりということはできなかった。
でもここは誰も私のことを知らない。そういう場所に行くためにわざわざお金を払っているのだと思う。
ただ結局、伊豆まで来て村上春樹を読むなら家で読んでも同じなんじゃないかとは思った。どこに行っても私は私のなかに閉じこもっているだけで、本当の意味で世界を見れていないような気がした。
目を耳を心を開いて、海を全身で感じ取るみたいなことができてない。
ホテルにチェックインしてからは温泉に入って(なんかぬるかった)、夕食のビュッフェを食べた。特に美味しくはなかったので、ビュッフェってそういうものだよなと思いつつ、近くに海鮮丼のお店があったのでそっちにすればよかったと後悔した。
近くにあるのは知っていたのだけど、どのくらい近くなのかわからなかったし、ネットじゃお店の感じとかがわからなかったので、ホテルで食べることにしたのだけど次からは考える。
夕食後完全に暗くなる前にまた海を散歩した。けど怖くてすぐに帰ってきた。夜の散歩に憧れがあるのだけど、結局いつもこうなる。
波の音が昼間よりすごくリアルに聞こえて、海は人間の味方じゃないのだということを思い知らされる。観光客をターゲットにしたお化けとか出そうで怖かった。旅先はいつもお化けに怯えてる気がする。
散歩から帰ってきてこれを書いてる。ホテルの部屋にも慣れてきて、怖さとか寂しさはなくなった。私の泊まってるホテルはあんまり怖くないタイプのホテルで助かった。趣がある古い感じのホテルとか、ダンス・ダンス・ダンスに出てくるゴージャスな感じのホテルだとなんか怖い気がする。
予約するとき2泊にするか迷って、旅行慣れしていないので1泊にした。明日は水族館に行きたいなあと思っているけど、それ以外に行く場所がなく2泊だったときまた海で本を読むことになりそうなので結果よかったのかもしれない。まあそれも悪くない気はするけど。
本当は夏に来たい。でも昨今の夏は外に出れるような気温じゃないからなかなか難しい。本当の夏になる前とかに来れたらいいのだけど、そんな都合よく休みは取れない。
教訓があるとすればレンタカーは借りるべきということくらいかな。あと電車は雰囲気を壊す人々が大勢いるので、今度は飛行機に乗りたい。