仮に世界が5分前にできたものだとして(ぴこさんとの文通)
ぴこさん回!
https://note.com/firm_otter5764/n/ndda980e125e6
ぴこさん
おはようございます。11月7日金曜日の朝8時です。今日はお休みをいただいて、国立西洋美術館へ行ってきます。その前にこれを書いているのですが、時間的に書ききれるかちょっと心配です。でも誰かと約束をしているわけでもないので、ゆっくり行きたいと思います。
私は毎朝、散歩をすることが日課です。今日はいつもより30分くらい遅い時間だったので、小学生たちの登校時間でした。班のメンバーを待っているのか、小学生たちがどんよりとした顔で並んでました。
小学生を見ると私にもあんな時代があったのだろうか、とよく思います。つい昨日のことのような気もするし、そんな時代などなかったかのようにも思えます。
好きな思考実験?の話があります。「仮に世界が5分前に突然できたものだとして、それを否定することはできない」というものです。世界はこの状態のままで5分前に突如創造されて、私も例外ではない。持っている記憶も何もかもがその瞬間に創造されたものだという話です。
本当は過去などなくて、あるのは過去のような記憶だけ。そうなると私たちは互いに現在進行形で文通をしているという記憶を持って生まれたということになりますね。なんだかおもしろいなって思います。
また何か変なことを書いてますね。でも私はこういう変な?話を誰かとしたいんだろうなって思います。
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和歌山はいいところでしたか? 私は行ったことがありません。たしかパンダがいましたよね、という謎の情報しか私には和歌山に関する知識がありません。
バスはあんまり馴染みがないので、乗るたびに少し緊張します。なので特別感があるというのはわかる気がします。
好きな移動手段は電車かなと思いました。車は怖いのでできれば乗りたくないです。電車の窓からころころ変わる街並みを眺めるのが好きです。私の住む田舎から一時間ちょっとで東京という大都会に行けるというのが未だに上手く信じられないです。
あと、飛行機が好きです。空の上ってやっぱりわくわくします。飛んでいるのを見るのも好きです。いつも無意識に目で追ってしまいます。
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私は些細なことでいつもねじを巻いています。ああご飯を食べなきゃなとか、家から出なくちゃみたいなことです。
でも、ねじを巻きすぎるみたいなこともないです。純粋にそういうふうにできていないんだと思います。ぴこさんがベイブレードなら、私は書いたようにゼンマイ仕掛けの人形なのでしょう。
ぴこさんはベイブレードやったことありますか? ベイブレードってコマ同士がぶつかって負けるとき、突然何の前触れもなくバラバラになるんです。そんなことを思いだしました。
私は一人で生きていかなきゃなとよく思います。私が壊れたら誰も助けてなどくれないぞって。それはぴこさんの言葉でいう自分の足で立つと同じものだと思います。
しかし一人で生きていくというのはどういうことなんでしょう? 果たしてそんなことが本当に可能なのでしょうか? バラバラになってしまってから、本当に一人で立ち上がれるのでしょうか? よくそんなことを考えます。
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私の創作を好きだと言ってくださり、ありがとうございます。
嬉しいとか、楽しいとか、ハッピーといった明るい気持ちから、何かを生み出し続けることはできるのでしょうか。
これは私が聞きたいくらいです。ずっとそのことについて考えています。私は死ぬまで何かを作りつづけられたらいいなと思っています。それはぴこさんの言うように「悩みや孤独を考え続けてください」と同じです。
例えば奇妙な奇跡か何かが起こって、私が結婚して子供をつくって幸せな家庭を築けたとして、私はそんな生活に耐えられるのでしょうか。案外何とかなるような気もするし、何とかならないから起こり得ない奇跡なのだと思います。
幸せになってしまったら、きっともう書けなくなる。私は心のどこかでちょうどいい不幸を望んでいるのかもしれません。
どんな人に惹かれるんですか?という質問の答えですが、私は何かを作っている人に惹かれます。
やっぱり理屈とか現実性みたいなものに興味は持てなくて、もっともっと個人的なものが好きです。
もうひとつの質問に答えると、私はとても個人的な世界で生きてます。なので世界が動くことの大半は自分に対する気づきだったりします。それを言語化することで私は世界を動かしています。
しかしそんな世界に生きているから、この文通が始まったとき世界が動いたって思いました。
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今はぴこさんから教えてもらった「夜と霧」「すてきなあなたに」を読んでいます。どちらも生きるということを見つめているというぴこさんの言葉がわかる気がします。
「夜と霧」は強制収容所の話なんですね。ナチスについて私が語ることのできることなんてほとんど何もありません。一度きちんと体系的に学びたいなと思うのですが、どうも手が伸びません。
私はアンネの日記が好きです。彼女が辿った運命について書かれていると思うと、私には受け入れられないというか、心を閉ざしてしまっているなと読みながら感じます。他者の痛みや苦しみを心の内に入れないということが私にはできてしまうのです。
「すてきなあなたに」についても同じようになぜか感じます。こんなふうに私も生きれたらなと日々思います。しかし同時にこんなふうには生きれないのだという思いもあるのです。自分が傷つきたくないから、心を閉じてしまいます。どちらかというと読んでいて苦しいのは「すてきなあなたに」の方です。
おすすめしてくださったぴこさんが悪いとか、この本が悪いとかそういうことを言いたいわけじゃないということをわかってください。傷つくこと、苦しむことってそんなに悪いことじゃないんです。むしろ何も感じなくなる方がずっと怖いです。
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映画とか音楽とかたくさん教えてくださりありがとうございます。ぴこさんは何が好きなのだろうと思って質問してみました。日記のなかにあんまりそういう話がない気がしたので。
ただ質問してから私は映画も音楽もほとんど知らないということを思いだしました。映画は基本的にジブリしか見ないですし、音楽は米津玄師と数人のボカロPしか聞かないのです。
映画も音楽も肉体を使った表現じゃないですか。私はたぶんそういうものが苦手なんじゃないかと最近思ってます。だから小説やボカロみたいなものが好きなんじゃないかと。
ちなみにいま日曜日に書いているのですが、国立西洋美術館に行ってきました。すごく楽しくてまた行きたいなって思ってる自分に驚いています。新しい趣味が増えたということにです。
そういう作家の肉体から離れたところにある作品に惹かれるのかもしれません。なのでオーケストラ、クラシックとかそういった楽器を使った表現に興味があります。ただ、何から聞き始めたらいいかずっとわからずに困っているんですよね。
楽器には少し複雑な気持ちがあるということ、それがどういったものか私にはわかりませんが、オーケストラ、クラシックの美しさを私に教えてほしいなと思いました。まずはこれから始めてみてというのを教えてください。
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最後に質問です。私におすすめしてくれた本たちは、何を思って選ばれたのでしょうか? 純粋に好きな本を上から4冊選ばれたのでしょうか?
人から勧められたものってどうやって読んだらいいかよくわからなくなるのです。ぴこさんから教えていただいたものという前提があって、それにプラスして作品自体の思いがあります。だから純粋な作品としては読めないですよね。なので読むための指針となるようなこと?を教えてもらいたいです。もちろん純粋に好きな本を選ばれたのならそう言ってください。そうなのだと思って私は読みます。
ちなみに私は質問、かなと思いました。あなたはこれを読んで何を感じますかという質問です。「わたしたちが光の速さで進めないなら」も「妊娠カレンダー」、「すべての、白いものたちの」どれも明確な答えのようなものを私が見つけられていない作品たちになってます。
読み終わった後、形をつけられない感情がふわふわと浮いているような気持になったものです。「妊娠カレンダー」のなかにある短編の「ドミトリイ」「夕暮れの給食室と雨のプール」がその最たる例です。何とも言えない感想がずっと宙に浮かんでいます。
なので私はどう思ったのか知りたいという思いと、あとは私と同じように困惑してほしいという思いで本を選びました。
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短歌をせっかくいただいたので、私も短歌をつくってみました。返歌は難しそうだったので、いちごつみです。ちなみに摘んだ一語は(覗け)と(痛み)です。久しぶりに短歌をつくって楽しかったですが、やっぱり難しいですね。
あなたから零れ落ちてる水滴のなかを覗いて見えた世界は
痛みから紡がれていく赤い糸 手繰り寄せては指を離して