日記 公園、年齢、アンネの日記
ずっと家にいるのは体に悪いということを身をもって知っているので、お昼ご飯を食べてすぐに車に乗り公園へ散歩に行く。公園へ散歩しに行くのに車に乗るのは矛盾で仕方ないような気がするけど、歩いては行けないし、アパートの周りを歩いても楽しくはないので仕方ない。
いま住んでいるのは中途半端な田舎であまり好きにはなれそうにない。実家に住んでいたころにもっと散歩をしておけばよかったなと最近思う。就職が決まって、引っ越すことが現実的になってきたちょうど一年くらい前に、私はこの田んぼに囲まれた田舎が好きなのだと気づいた。
そういえば就活のときに過疎地域の活性化みたいなことを軽く言っていた企業の最終面接(今の就職先とここだけ)まで通ったことがあった。そのときに私はこの田舎が好きなのだ、このまま廃れていくのはなんだかさびしいと面接で言おうと思ったのだけど、結局そんな話にはならなかった。
どの面接でもそうだった。私が用意してきたアピールポイントや御社の好きなところは毎回的外れなのか、ことごとく言う機会がなった。その企業では「誰かと一緒に何かをやったことはあるか」と聞かれた。そんなこと一度もなかったので私は戸惑ってしまった。
どいつここいつも何もわかってない。あっかんべーだ。私はずうっと一人小説を書いてました。石ころをけ飛ばす。「この街で働くことになるのかな」なんて面接に向かう道中で感じていた私の感情を返せ! まあ、小説を書いているということに自信を持てなかった私が悪いのだけど。企業の名前も忘れてしまったけど、川が綺麗な街だったことだけは覚えてる。
***
公園に行くとたくさんの家族がいる。とても幸せそうでいい。みんなお父さんとサッカーとか野球をしてる。お母さんはそれを見守っている。子供はゲームなんかより外で遊んで欲しいと体育会系の回し者みたいなことを思う。ゲームなんて大人になってからいくらでもできるのよ。
唐突に千と千尋の銭婆の「一度あったことは忘れない、思いだせないだけ」という言葉を思い出す。家族って本当にそれに尽きるなあと思った。子供たちは今日のことを思いだすことはないだろうけど、それでもなくなってしまうものじゃないし、必ず良いものとして心に残り続ける。
前にツイッターで見た谷川俊太郎の言葉が忘れられない(いつかちゃんとした出典もとを読みたい)。年齢は木の年輪のようなものでいつでも昔に戻れるというもの。その言葉を知って、私は泣きだしてしまいそうなほど救われた。そっか、大人になるということは失うことだと思っていた。でもそうではないんだって。
私はトトロが好きなのだけど、トトロを見ると田舎の美しさとか子供のころ見ていた感じていた情景みたいなものを思いだす。宮崎駿がいくつのときにトトロを作ったのか知らないけど、若くないおじさんであったことは間違いないはず。
そんなことを考えるととても希望になる。あの白髪で髭もじゃもじゃのおじさんが、トトロを作ったのだ、童心というのは大人になることで消えてなくなるわけじゃない。
公園では小さな子供が凧を上げていた。風の調子がいいのか、それはとても高くまで上がっていて、遠くから見たときは飛行機かなにかが飛んでいるのかと思った。近いづいてみるとそれは子供が操っている凧で、私はずっと凧上げをやってみたかったことを思いだした。純粋に空とか宇宙とか高いところが好きなのだ。
私は歩きながらずっとその凧を見上げていた。風にあおられてあんなふうに空を飛べたら、さぞ気持ちがいいだろうなあ。うらやましい。
***
日記について最近よく考えてる。日記のなにが人を惹きつけているのだろう?ただ何でもない日常を書き起こしただけの文章のどこに価値があるのだろう?でも実際それを本にして売ってる人がいる。買っている人もいる。うーん。そんなことを考えてる。別に否定的に思ってるわけじゃない。日記のおかげで繋がれた人も多いし、その人たちの日記を読むことが日々の習慣になりつつある。
私は日記とタイトルにつけた方が読んでくれる人が多いような気がするから、この文章を日記と呼んでいる。でもこれは日記なのだろうか?ずっと同じことを考えてる。
アンネの日記!と突然今日の午後お昼寝をしてるときにひらめいた。私にはアンネの日記があるじゃないか、どうしていままで思いださなかったのだろう。図書館で借りてきた本を放り出して、アンネの日記を引っ張り出す(電子の海から)。
すぐにほしい答えは見つかった。「ほんとうのお友達が私にはいないから」だ。
アンネは13歳でこれを書いてる。なんだかもう言葉が出ない。まだ読んだことない人がどのくらいいるのかわからないけど、日記本としてはアンネの身に起こったことを差し引いても素晴らしいと思うので読んでほしいなあと思う。
以前、私がアンネの日記について書いたものがあったのだけど見つからなかった。noteのなかにはあるのでもし見つけた方は読んであげてほしい。