日記 愛おしい人間
高瀬隼子の水たまりで息をするがよかったので、おいしいごはんが食べられますようにを図書館で借りてきた。芥川賞だったはず。芥川賞はなんだか暗いイメージがあってあまり好きではなかったのだけど、おいしいごはんが食べられますようには暗くなくていい。
まだ途中なのだけどとてもよい。私はこういう話が好きなのだと気づく。当たり前だけど一昔前の文学より、最新の文学の方が読みやすいし好きなものも多い。人間が誰しも持っている小さな歪みをちょっとずつ広げていく感じがたまらない。もうゾクゾクする。
芥川賞は暗いとか言ったけど、何を読んでそう思ったのか思いだせない。テキトーなことを言ってるなと思う。好きな芥川賞は蹴りたい背中。何回も読んだ。
おいしいごはんが食べられますようには今のところ職場恋愛の話なのだけど、それを読んでいて普通の人はこんなふうに結婚していくのかもしれないと思った。
結婚適齢期なんて言われる年齢になって、そのときたまたま近くにいた人と結婚していく。そんな感じ。
登場人物の男は誠実とは言えないけど、クズとも言えないようなタイプで、職場の女性に手を出す。その女性はいわゆる良い子って感じの人で弱々しくそれを自覚して武器にしてるようなタイプ。
始めはこういう良い子が訳の分からない男に捕まって結婚していくのかと、読んでいてちょっとうんざりした。でもその女性も本当はそういうもの、抱きしめてくれる人や優しくしてくれる人を求めていたりする。
そうやってどちらも別にこの人じゃなくてもいいけど、ちょうどいいからみたいな感じで結婚していくのかもしれないと思った。ふたりとももうそろそろ結婚しなきゃなと思っている。それは結婚がしたいというわけではなく、漠然とした焦燥や、世間の雰囲気、生物として本能に流されている。
そうやって多くの人は結婚していくのかもしれないと思うと、なんだか夫婦というものがとても愛おしく見える。ゆったりとした川の流れに押されるように結婚し、子供を産んで、ふつうの幸せを築いていくのだろう。とても微笑ましい。
私も結婚しなきゃとか思う日が来るのだろうか?そういう自分の変化が楽しみで仕方がない。はやく28歳くらいになりたい。アラサー、この私が!?まったく想像がつかない。考えただけでもゾクゾクする。それかもう一度19のころに戻りたい。23なんてつまらなすぎる。
歳の近い人にあまり興味を持てないのは、考えていることが近いからだと思う。そのせいで逆に何を考えて生きているのかよくわからなかったりもする。前後5歳ぐらい歳が離れている人がいま何を考えて生きているのか気になる。18の子にやっぱり死にたい?って聞きたいし、28の人に幸せってなんだと思いますか?って聞きたい。
みんな何を考えて日々生きているのだろう。人間っておもしろいなあ。