日記(秋みたいな人になるための人生設計)
秋は好きだ。秋みたいな人になりたい。夏は暑すぎるし、冬は寒すぎる。春は私にはちょっと華やかすぎる。秋の空気が澄み始めて、夏なんてなかったかのように肌寒くなっていく日々が好き。
少し前までどこからともなく金木犀の匂いがしたけど最近はしなくなった。金木犀ってそんなに刹那的なものだっけと思う。実家に住んでいたころは隣の家に金木犀の木があった。毎年秋になると爆発する寸前みたいにオレンジ色の花で膨らむのを窓から見ていた。でもそれがどのくらいの期間その状態だったか覚えていない。
私はこの街をどうにも好きになれそうにないなと最近思う。どこが嫌かと言われればあげるのは難しいのだけど、メインストリートに並ぶ娯楽が家族で行くチェーン店、ファミレスくらいしかないところとか、車で移動しないといけないところとかが嫌い。あと中途半端に整備されてない自然?森とかが汚いところ。
私は東京に住みたいという目標というか人生設計がある。それを達成するために就職したのだけど、なぜか実家と同じ県で高速で一時間くらいのところに住んでる。配属は関東……東京に、憧れがあります……って面接のときに言った気がするんだけどな。
だからいっそのこと仕事もやめて東京に引っ越したいなんて思ってる。でも残念なことに今の仕事に不満が一切ない。それにまだ入って一年だからやめようにもやめられない。
不思議な感覚だけど、私はこの会社を選んでいないという感覚がある。だから働く前からやめようと思っていたし、働いてみてもその感覚は変わらない。親には一切何も言わないで就活をやって、決まってから報告したし、推薦?スカウト?みたいな入り方をしたわけでもない。
変な言い方だけど、選ばれたというのが近い気がする。入っていいよと言われた感じ。わけもわからずいろんな会社を受けて、内定をもらったのが一社だけだったからそういう感覚なのかもしれない。
当時は何も知らないかった。やりたいことっていまもよくわからないけど、そもそも文章とかやりたいことを仕事にするつもりはあんまりない。才能があるわけでもないのに、文章を書いて生活するのは苦しそうに思える。
それでもやりたくないこと、できることはわりとはっきりわかってて、自分はIT系の職に就くんだろうなって高校のときくらいから思っていた。だから業界選びとかに苦労はなかったし、後悔もしてない。
ただ当時は何も知らなかったし、知りたいとも思えなかった。どうでもいいと思っていたというか、実際に社会に出てみないとわからないと思っていたのだ。二十歳を少し過ぎたくらいの人間が正しい選択をできるわけがないし、そういう無知な人を漁みたいに囲って捕まえるのが就活って感じがする。
どういう仕事がしたいっていう仕事に対する前向きな?考えみたいなものはないけれど、少しずつ人生においてなにを大切にしていけばいいのかというものがわかってきた。そういうことがわかるたび、成長って思う。
東京に憧れがあると言ったけど、どう表現したらいいか難しい。一度東京に住まなければいけないと思っている、そうしないことにはどこにも行けない、って感じ。
私は街って言葉がすごく好きで、街というものに憧れがある。私の言う街は集合体って感じで、その街独自の雰囲気がある場所。上手く言えないけど、いま住んでるところは街って感じがしない。
なんていうか平坦で広い。それに同じ県だからというのもあるだろうけど、実家のある街と雰囲気が一緒なのだ。だから東京じゃなくてもその近辺ならいいのだけど、この街が好きだなって思える場所に住みたい。
そして最終的には田舎に戻りたいなと思ってる。私はどう考えても都会的な人間じゃないし、やっぱり田んぼとかそういう自然的なところの方が性に合ってる気がする。できれば海があるところに住みたい。実家を出てみて、私はあの田んぼに囲まれた生活が好きだったんだなって思った。
でもそういうことって田んぼに囲まれてたころはわからなかった。カエルは信じられないくらいうるさいし、遊びに行こうにも友達の家は遠いし、近くにコンビニもない。
最近、成長ってよく思う。何度も書いてるけど、自分の中で何かが変わってきてるのを感じる。それを感じられるのは、今までずっと自分の考えを文章にしてきたからだと思う。
今日も昨日と同じように何もできない日だった。そういう日ってよくある。何もやりたくないように思えてしまうのだ。何かをやりたいという気持ちだけ空回りして、憂鬱になる。何度も経験してきた。
だから今日は村上春樹のノルウェイの森を少し読んだ。何度目だろう?年に1回くらいのペースだから5度目とか?
前回読んだときは期間をあけてなかったからか、なんだかこう面白味?みたいなものがなかったのを覚えてる。でも今日読み返してみると、文章がすべてが新鮮に思えた。心が一文一文を吸収しているのを感じるのだ。
7年経ったら細胞が全部入れ替わって別の人なんて言うけど、やっぱり時間と言うのは人を作りかえるんだなって思う。
私の人生最大の幸運は高校のころにノルウェイの森にであえたこと。人にはそのときそのときで読むべき本というものが決まっていて、正しいタイミングで正しい本が読めたらそれは一生の宝物になると思ってる。
私はきっとこの小説を一生読んでいく。それはとても幸運なことのように思える。
マシュマロ
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